年頭のご挨拶

新年のご挨拶を申し上げます。既に二年間にも及ぶ新型コロナ禍で疲弊とも、順応ともいえる様々な状況が垣間見られます。その中でご家族が入院・入所され面会が出来ない当事者・ご家族、当たり前の学園生活が二年間にも及んで送れない生徒・学生、サービス業の方々等、相当な精神的・肉体的・経済的負担を強いられていることに沈痛の思いでおります。昨年末には世界的に日本のみが鎮静状態にあり、その謎を各方面から検討されていました。遺伝的に日本人は有利であるとの学説もありましたが現況(1/14)を視ればそれは否定的と言えます。何よりも日本人の国民性のお陰で(デルタ株までは)なんとかしのげていたのだと思います。

当院では今日(1/15)までは院内感染は防ぐ事が出来ました。薄氷を踏む思いでしたが幸運にも助けられました。若い職員や小さな子供さんがいる職員、帰省家族を持つ職員から頻繁にコロナ対応の相談を受けました。その都度、コロナ対策に真摯に向き合っている様子に心より感謝しながら当院のルールを基に回答して参りました。一方、中核病院の中にはクラスター感染を引き起こしたところもありますが、果敢に新型コロナ診療に立ち向かわれた結果だと思います。敬意と尊敬の念を禁じえません。

さて、第6波の主犯、オミクロン株においては外来診療をしている以上、従来株の様には侵入をブロックできないかも知れません。当院は院内に併設されている『ふじみ介護医療院』を含め199床を有しますが多くの方は免疫力が低下しています。完全な感染隔離室を有しない施設においては入院・入所している方々を新型コロナから守ることと発熱患者さんを受け入れることは常に相反します。そのため私共は地域社会に貢献することを病院理念に謳ってはいるものの必ずしもそれに応えていないことに忸怩たる思いでおります。

昨年はこのコロナ禍でありながら約半年をかけて外来スペースのリノベーションを敢行しました。その目的は発熱者と通院患者(敬称略)を動線上区別できるようにすること、待合スペースを同様に区別すること、各診察室間の独立性(空気の流れも抑制)を確保することでした。晩秋から年末には第5波後、可能な限り家族面会を条件付きで行いました。現在も余命幾ばくもない方々の面会は、一定の条件により許可しております。発熱者の診療は地域住民の方々を中心に行っております。今年は外来診療の充実、新型コロナの感染状況に即応した面会条件の是正(可能な限り面会出来るように努力します)を行います。マラソンは35㎞地点からが試練と言われています。もう少し頑張りましょう。どうかこのオミクロン株が普通の風邪として落ち着くこと、安堵した年末を迎えられることを祈念いたしまして新年のご挨拶とさせて頂きます。

院長 田村 洋一

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