2024 新年のご挨拶

別府中央病院
院長 田村 洋一

 今年は能登半島地震とそれに関連した事故から始まりました。ここで改めて震災による犠牲者の方々及び殉職された海上保安庁の隊員の方々に哀悼の意を表します。また避難生活をされている方々、救済に関わっておられる方々にお見舞いと感謝の意を申し上げます。

当院は海抜4.3Mに位置し、建屋2階には血液透析室があります。病床は3階から6階にありますが3階の床面は海抜約9Mになります。建物の半損壊あるいは津波(5M超級)による被害(浸水)が及べば入院患者の安全確保が精一杯であろうと思われます。その場合は当院の周辺住民の方々は旧野口小学校跡地が避難場所になりますのでまずは避難されることをお願い致します。入院患者さんの安全が確保出来次第、救急外来診療に対応したいと思います。不幸にも受け入れが不可能な場合は病院玄関前に「救急受け入れ困難」のサインを表示致します。

さて、毎年、年頭に思うところは患者・利用者の方々、地域の方々、そして病院の職員にとって『安らかに過ごせる、充実した仕事が出来る』ことを実感して頂くことです。その根源はまず病院の職員が健全であることだと思っています。私にとって唯一無二の課題は当院に関連したことで患者さんやそのご家族が悔やまれることがないようにすることです。また職員の離職の原因が病院のマネージメントの欠陥にある場合も同様です。病院職員が出勤時に『今日も一日頑張るぞ!』と笑顔で挨拶を交(かわ)せることが大切なサインと考えています。新型コロナが流行し、院内で職種、立場を越えた交流は激減しました。今年もその傾向は続けざるを得ませんが日々の職務の中で働きやすい環境を整備し、多くの仲間が集まり、お互いが切磋琢磨出来てはじめて皆様に安心して頂ける医療をご提供出来ると思っています。今年こそ少しでも皆様のお役に立てるよう精進致しますので病院改善のためにご意見をお聞かせ下さい。

次に面会制限について触れさせて頂きます。現在は新型コロナの10波とも言える感染拡大がみられます。大分県のホームページで新型コロナウィルス感染症の状況を検索することが出来ます。当院は東部保健所管内にあり、その定点当りの感染者数(毎週水曜日発表)が10人以上になった際は基本的には通常の面会(急用の際はこの限りではありません)を中断しています。また無症状の感染者も散見され、病棟での感染拡大のリスクは常にあります。患者様とご家族には多大なご迷惑、ご心配をお掛けしますがご理解、ご協力をお願い申し上げます。

私の座右の銘は『人生、万事塞翁が馬』です。震災によって亡くなられた方々には手向けの言葉にもなりませんが平安時代とも鎌倉時代由来とも言われる伝統の街が以前のような郷愁と新たに頑強さを合わせ持って復活されることを祈り、また皆様方にとってより良い年になりますよう祈念し、新春のご拶に代えさせて頂きます。

新年冒頭のご挨拶

 新年のご挨拶を申し上げます。全世界共通の挨拶になると思いますが来年には新型コロナの克服を祝うご挨拶を申し上げることが出来るようになることを祈るばかりです。昨年の今頃は中国の新型コロナ禍を対岸の火事として見ていましたが今や我が国では大都市圏のみならず日本全域がその火事に巻き込まれ、行政、医療機関は必死で戦っています。大分県ではこの一年で延べ感染者数は1000人に達しそうです。
 当院での取り組みについてご紹介申し上げます。外来診療では、患者様や訪問された方全員に玄関ロビーに設置されたサーモモニターで最初に体温を確認後、血中酸素飽和度を測定(肺炎の有無、状態を推定)し、健康チェックシート(問診と、既述の基礎データを記入)により新型コロナ感染のリスクを点数化しています。感染の可能性が低い方は青色に分類し通常の外来スペースで、感冒様症状の方は黄色に分類し救急外来スペースで、明らかに感冒症状がある方は赤色に分類し、青・黄色に分類された方々と交わらないように専用外来と称した仮設の診療場所で午後に振り分け予約制で診察しております。入院診療においては当院の設備、マンパワーを十分に勘案し、医療従事者としての責務と 『存在意義のない病院であってはならない』 ことを肝に銘じ、日々コロナ対策に向き合っております。今後も既存の入院患者様の感染防止と新型コロナ患者様の診療の両立といった極めて困難な課題に取り組んでいく所存です。また入院患者様のご家族には厳しい面会制限を設け、多大なご迷惑をお掛けしております。大分県内の感染状況を分析し、少しでも面会の機会が設けられるように週単位で面会制限のルールを見直ししているところです。
 今日まで座右の銘にしております 『人生万事塞翁が馬』 をひたすら信じ、今年一年を歩んで参ります。最後になりますが密閉、密集、密接、濃厚接触の回避(お互いがマスクをしている、1m以上の距離、15分以内の会話)をもう一度ご確認下さい。皆様のご健康をお祈りするとともに保健行政機関、最前線の医療機関関係者の方々に改めて謝辞を申し上げ新年のご挨拶に代えさせて頂きます。

令和3年1月15日







院長
田村 洋一

お知らせ(外来診療について)

現在、当院には感染に対して抵抗力の弱い方々が多く入院されています。そのため新型コロナウイルスの集団感染予防の観点から当面外来診療は午前中に限らせて頂きます。午前中の診療においても待合室での集団感染の機会を最小限に留めるため37.5度以上の有熱者の方には改めて午後の限られた時間に再診を予約して頂いております。大変ご迷惑をお掛け致しますがご了承下さい。

別府中央病院 院長